ChatGPTで求人票は作れるか? プロンプトだけでは足りない3つの落とし穴
求人票を作らなければならないが、採用の専門知識も時間もない。そんなとき、まずChatGPTに「求人票を書いて」と頼んでみた方は多いのではないでしょうか。実際、ChatGPTは職種名と条件を伝えるだけで、それらしい体裁の求人票の文章を数秒で出してくれます。
ただし、生成された文章をそのまま媒体に載せてよいかというと、話は別です。本記事では、ChatGPTで求人票を作る基本的な手順を確認したうえで、プロンプトの工夫だけでは埋められない3つの落とし穴を整理します。そのうえで、なぜ「作る前に診断する」という順番が有効なのかを解説します。
ChatGPTで求人票を作る基本手順(プロンプト例)
ChatGPTで求人票の下書きを作る場合、一般的には次のような流れになります。
- 職種名・雇用形態・勤務地・給与・仕事内容の概要を箇条書きで伝える
- 「未経験者歓迎」「アットホームな職場」など、訴求したいポイントを補足する
- 「この情報でハローワーク向けの求人票の文章を作ってください」のように出力形式を指定する
- 出力された文章を確認し、「もっと具体的に」「もう少し短く」などの追加指示で調整する
プロンプト例としては、「飲食店のホールスタッフ、時給1,100円、週3日〜勤務可、未経験歓迎という条件で、応募したくなる求人票の仕事内容欄を作成してください」のように、条件と訴求ポイントをセットで渡す形が基本です。この手順自体は難しいものではなく、10分もあれば一通りの文章は出来上がります。
問題は、その出来上がった文章を「そのまま使ってよいか」という点です。ここから、実務で見落とされがちな3つの落とし穴を順に見ていきます。
落とし穴①媒体規約・NG表現を知らずに生成してしまう
求人票には、職業安定法や男女雇用機会均等法に基づき、性別・年齢・国籍などを限定するような表現を避けなければならないというルールがあります。また、ハローワーク・Indeed・Airワークなど媒体ごとに、記載してよい項目や表現のガイドラインも異なります。
ChatGPTは、こうした法令や媒体ごとの最新ガイドラインを踏まえたうえで文章を生成しているわけではありません。プロンプトで「女性が多い職場です」「若い方歓迎です」といった訴求ポイントをそのまま伝えると、意図せずNGに近い表現がそのまま文章に反映されてしまうことがあります。生成された文章が自然に読めるからこそ、担当者自身も違和感に気づきにくいという点が、この落とし穴の厄介なところです。
落とし穴②「良さそうだが刺さらない」抽象表現になりがち
ChatGPTが生成する文章は、文法的に破綻がなく、一見すると整った求人票に見えます。しかし、複数の求人票を見比べると、「風通しの良い職場です」「やりがいを感じられます」といった、当たり障りのない表現に寄りがちな傾向があります。
これは、ChatGPTが「良い求人票らしい言葉遣い」を平均的に学習した結果とも言え、個々の会社の実態に基づいた具体性までは補えません。求職者にとって重要なのは、1日の業務量やチームの人数、研修の有無といった、その会社ならではの具体的な情報です。プロンプトに「具体的に」と指示を加えても、そもそも担当者自身が伝えていない情報をChatGPTが想像で補うことはできないため、抽象的な表現から抜け出しにくい構造があります。
落とし穴③自社の求人票の何が悪いのかは指摘してくれない
3つ目の落とし穴は、ChatGPTが基本的に「作る」ことは得意でも、「今ある求人票の何が問題なのか」を客観的に診断することは得意ではないという点です。
すでに出している求人票を貼り付けて「改善してください」と頼めば、それらしい修正案は返ってきます。しかし、その修正が本当に応募数を左右する部分を直しているのか、それとも表現を言い換えただけなのかは、担当者自身が判断するしかありません。ChatGPTとの対話は基本的に依頼者の指示に沿って文章を変えていく作業であり、「この求人票のスコアは何点で、根拠はここです」という客観的な診断結果を返す設計にはなっていないためです。
診断→改善という順番がなぜ必要か
ここまでの3つの落とし穴に共通するのは、「良さそうな文章を作る」段階では気づけない問題が、実は生成の前提部分に潜んでいるということです。NG表現の有無、抽象表現への偏り、自社の求人票の弱点は、いずれも生成後に読み返しただけでは見抜きにくいものです。
そのため、いきなりChatGPTに生成を依頼するのではなく、まず今ある求人票(あるいは書きかけの下書き)を客観的に診断し、どこに問題があるのかを洗い出してから、改善に取りかかる順番のほうが合理的です。診断で見つかった課題が明確であれば、ChatGPTに追加で修正を依頼する場合も、指示の的が絞りやすくなります。
こうした診断のプロセスを補うために、私たちは求人票を自動でチェックする「求人チェッカー」という製品を開発しています。求人票の文章を入力するだけで、NG表現に該当しそうな箇所や、具体性が不足している箇所をAIが指摘する仕組みで、現在は正式リリースに向けた事前登録を受け付けている段階です。導入企業による実績はまだありませんが、ChatGPTで作った求人票の下書きを見直したい場合にも、求人チェッカーの製品ページから詳細をご確認いただけます。
まとめ: プロンプトを工夫するより診断から始める
ChatGPTは求人票の下書きを短時間で作る手段として便利ですが、媒体規約やNG表現への配慮、抽象表現からの脱却、自社の求人票の弱点の把握までは代わりに担ってくれません。プロンプトをどれだけ工夫しても、これらは「生成」の工程だけでは解決しにくい課題です。
求人票の質を上げたいときは、いきなり生成に頼るのではなく、まず今の求人票を診断し、何が足りないのかを把握することから始めてみてください。診断無料・単発1,980円からの改善プランを用意していますので、下書き段階の求人票でも一度チェックしてみることをおすすめします。